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Archive for the ‘Social Media’ Category

[NBA] ルーキーたちが新ユニホームで変顔写真撮影!?

今日Twitterを見ていたら変な写真が流れてきた。

これは今年2013年のルーキー、Kelly Olynikが新チーム、セルティックスのユニホームを着ている写真。(個人的に次のDirk Nowitzkiになるのではないかと期待している逸材)

実はこれは#PaniniNBARookieというRookieたちの写真撮影会の一幕。Panini Americaという選手たちのトレーディングカードなどを作っている会社の、今年のルーキーたちのカード用写真撮影会が行われていた様子をTwitterで中継していたようだ。

選手たちが変顔をしている写真もあれば、まじめな顔の写真もある。また選手がユニホーム姿でドリブルスキルやダンクを披露している10秒以内の短い動画もある。(動画はvine.coというサービスを使って投稿されている)

↓なんとランチタイムの写真まで!これはこれで貴重な写真。ルーキーらしさがあってよい。(この量じゃ絶対食事足りてない・・・)

■ありふれたことをイベントに

おそらくこの写真撮影会は毎年行われていたありふれた光景だったのだと思う。が、それをPanini NBA Rookie Photoというイベントに仕立て上げ、スポンサーであるPaniniの名前を冠にし、さらにオフシーズンのネタの少ない時期に話題作りをすることに成功している。

特筆すべきはびしっと決めたポーズの写真だけでなく、ランチや選手同士がじゃれている写真、変顔写真、撮影中の様子を写した動画まで包み隠さず見せていること。Twitter、Instagram、Vineあたりが主に使われているのだがコストはほぼ0。コストがかからないのであれば接触面を増やす努力(点→面での接触)をしたほうがRTされる対象も増える(膨大なフォロワーがいてこその結果ではあるがそれぞれの写真・動画が50~200前後RTされている)。またいろんな選手・いろんな表情を見せるほうが、いろんな好みのファンにヒットする可能性もある。(このへんはAKB参照)

最後はNBA.comのサイトにちゃんとまとめて写真をアップしてフロー(Twitter上で流れて行ってしまう情報)からストック(NBA.com上でいつでも参照できる情報)に変換している。このへんは抜け目がない。

2013 Rookie Photo Shoot

まとめると、いつも行われていることに名前をつけてイベント化し、SNSの利点を生かして接触面を増やし、きっちり結果はストック化する。ソーシャルメディアの活用で先端を行っていると改めて思い知らされるイベントだった。

[NBA] Social Spotlight – ソーシャルメディア上のファンにライトを当てる

前回の記事でNBAはソーシャルメディアの利用においてリーダーであるという点について書いた。

前回の記事では選手を中心としたコンテンツをどのように生かしていたかという点に触れたが、今回はファンが作成したコンテンツを活かしている方法のうちの一つを紹介したい。

■Social Spotlight概要

まずは下のスクリーンショットを見てほしい。

これは選手やファンたち(時にはチームのオーナーまで)がTwitterとInstagramに投稿した内容を集めてきてタイル状に表示されていて数秒ごとに内容が切り替わる。

nba_socialspotlight

■Social Spotlightの特徴

1年前の記事だが、引用する。

Social Spotlight, on the other hand, takes the best NBA content from Twitter and puts it in one place. Not everyone has time to scour Twitter all day, so these are the smartest comments, most telling stats and coolest photos out there.
NBA expands social media presenceより

いつでもTwitterのタイムラインを見れるわけではない人に、Twitterで最も話題の写真、コメント、スタッツ(試合記録)を提供している、と。

ただやみくもにTwitterから表示しているのではなく、ある程度RT数やお気に入り数などで絞り込んだ結果を表示していると考えられる。

ソーシャルメディアへのインパクトというのは意外と表現しにくいものだと感じているが、NBAはインパクトの大きさを公式サイト上にSocial Spotlightとして集約することで、表現できている。

次回は上記引用記事中にあったNBA Pulseについて触れたい。

[NBA] 2013 Social Media Award – Social Mediaへのインパクトを評価する

NBAが今年で2回目となるSocial Media Awardというのをやっていたので紹介したい。

2013 Social Media Award(元々専用ページがあったのだが現在では結果のページにリダイレクトされる)

Official Releaseはこちら

■Awardの概要

趣旨はSocial Mediaにおいてインパクトを与えたチーム、プレイヤー、ファンを表彰するというもの。ここでいうSocial MediaにはTwitter, Facebook, Instagram, Youtube等が含まれる。

スポンサーはSAP。(SAPはStatsのサイトも提供している→紹介記事

候補はサイトで発表される。またカテゴリごとの候補がNBA.comのサイトで動画として紹介されている。

投票はnba.com/smaのサイトもしくはTwitterで#NBASMAのハッシュタグで投稿する。(NBAにとってTwitterからの集計はもうお手のもの)

最後はNBA tvでの発表となる。ここでの発表には今はコメンテーターをやっている元選手がホストとして登場する。

■Awardのカテゴリ

Awardのカテゴリは以下。

  • Snap Shot Award:写真
  • The Epic Award:歴史に残る試合
  • The LOL Award(Laugh Out Loud:大笑い):大笑いしてしまうような珍プレー
  • Social Slam Award:Social Mediaで話題になったダンク
  • FTW Award(For The Win):勝利に貢献した選手
  • The OMG Award:各チームによる面白ビデオ
  • Trendsetter Award:スタイル、服装でトレンドを巻き起こした選手
  • The 140 Award:ベストツイート
  • The Social MVP:Socialな影響力
  • Social Rookie Award:Socialでインパクトを増したルーキー
  • Social Difference Award:社会貢献
  • Fan Nation Award:ファンたちを表彰

OMGやLOLはTwitterでよく見かけるし、The 140 Awardが入っているのも実にSocial Media Awardっぽくてよい。とにかくこういうのは費用もほとんどかからない(紹介映像程度)のでできるだけ多くAwardを作って、できるだけ多く話題を集めたもの勝ちというところがある。

個人的なお気に入りはSocial Slam AwardのDeAndre Jordanのダンク。ファンだけでなく、選手も含めてTwitter上が騒然としていたのを覚えている。

■NBAがAwardを実施する理由

NBAがこのようなAwardを実施している理由はOfficial Release記事の最後に端的に述べられている。

The NBA continues to be a leader in embracing social media surpassing 400 million likes and followers combined across all league, team and player pages on Facebook, Twitter, Instagram, Sina and Tencent. The NBA was the first professional sports league to exceed one billion videos viewed on its YouTube channel and now has more than 1.3 billion videos viewed overall.

NBAはSocial Mediaを使うことに関してリーダーであり続ける。MLBに比べ試合数が少なく、NFLに比べてアリーナが小さいという不利な点がある一方で他に先駆けていち早く国際化しているNBAにとってはSocial Mediaは非常に相性がよい。それをいち早く見抜いていたからこそSocial Mediaに力を入れてきたのだろう。

[NBA] NBA選手によるスポンサーTwitterアカウント乗っ取り

NBA Finalの真っ最中だがちょうどGame4を見ているときに面白い取り組みを見つけた。

それがこれ↓

I’m taking over @sprint during the#NBAFINALS game tonight. Check it out starting at 9 EST. Follow @sprint & use#KLoveTakeover

Kevin Loveというオールスター選手が、NBAのリーグスポンサーであるSprint(ソフトバンクが買収しようとした会社)のTwitterアカウントを乗っ取り(Takeover)、試合の解説を流すというもの。

Sprintのアカウントを乗っ取った時の様子はこれ↓。

Hey guys, Kevin here. Ready to tweet this game live. #klovetakeover https://vine.co/v/blPDDEdLelB 

約1時間半に渡って試合の様子をツイートしたり、名前がLoveだけにスポンサーのCMをしたり↓

Sponsor love: Sprint is offering $100 off Kevin’s favorite phone, the HTC One http://bit.ly/11RrpRS  #KLoveTakeover pic.twitter.com/5cmO5orvBC

している。

■Twitter乗っ取りの効果

現時点(6/18)時点の各アカウントのフォロワー数は以下の通り。

  • @kevinlove – 約66万
  • @nba – 約737万
  • @sprint – 約15万

イベント実施時のフォロワー数ではないので正確ではないが、簡単に言うと@kevinloveの66万人(+@nbaがリツイートしているので737万)のうちのある程度の数のフォロワーが、一時的にでも@sprintをフォローする可能性がある。@sprintだけではとても集まらないほどの数のツイッターアカウントへの露出が見込める。また2ツイートのみだったがCMを出すこともできた。

もちろん選手のツイート力(話力?)あってのものだが、比較的容易にNBA(とその選手)としてのメディア価値を、スポンサーに提供できている例と考えられる。ただ選手がスポンサーの名前や商品をつぶやくのではなく、試合(しかもNBA Final!)についてつぶやくというキラーコンテンツを軸にフォロワーへの露出を行うというのは、簡単ではあるが工夫をしていると感じた。

[NBA] NBAとTwitterがソーシャルな試合動画観戦方法で提携 – Social Highlights

Twitterで流れてきた日本のCNETの記事で見つけたトピック。

Twitter、NBAと提携–ツイート内でプレーオフのハイライト映像を配信へ(CNET Japanより)

TwitterとNBA Digitalは、現在開催されている米プロバスケットボールの2013 NBA Playoffsで最もエキサイティングな場面のハイライト映像を、ツイート内にストリーム配信することで提携した。

この提携についてはBloombergが最初に報じたが、Twitterはわずか数日前にESPNと同様の取り決めをしたばかりだ。ESPNとの契約でTwitterユーザーは、サッカー、X Games(エクストリーム系スポーツを集めた競技大会)、大学のアメリカンフットボールの録画映像にアクセスできるようになる。

Twitterによると、NBAのハイライト配信ではSony Pictures Entertainment、Taco Bell、Sprint Nextelがスポンサーになる予定だという。

これだけだと詳細がよく分からないのでBloombergの元記事をあたってみた。非常にわかりやすい。

Twitter Teams With NBA to Stream Basketball Replay Videos (Bloombergより)

説明している部分を本文から引用する。

NBA Digital, a joint venture between the sports league and Turner Broadcasting System Inc. (TBS/B), will post game snippets on Twitter during the playoffs with the hashtag #NBARapidReplay, said Adam Bain, president of global revenue at Twitter. Short advertisements will appear alongside the clips, he said. (Twitter Teams With NBA to Stream Basketball Replay Videosより)

@NBAのアカウントが#NBARapidReplayというハッシュタグでTwitterのタイムライン上で見れるリプレイを投稿する。この#NBARapidReplayのツイートをユーザーが「Awesome!」とか「Incredible!」とかコメントつきでRTすることで、ユーザー同志のコミュニケーションが活発になる。このリプレイには当然のように広告は表示される。

またこの動画はNBA.comのサイト上ではNBA Social Highlightsという特設ページになっている。

NBA Social Highlights(リンク)

ここではゲームごとにページが設けられ、タイムラインに沿ってハイライト動画が作成されている。またタイムラインとあわせてTwitter Volume(おそらくハッシュタグの投稿数)が表示されていて、ハイライトシーンの中でも特にVolumeが大きいもの(反響の大きいもの)が分かる仕組みになっている。

※ ちなみに。数字(Twitter Volume)を集計しておくメリットとしては、あとでランキング(例:もっともVolumeの大きかったハイライトシーンベスト10)を作成することで動画コンテンツを再利用しつつ別の形で届けることができる点がある。

■Twitterにとって提携の意味

TwitterはIPOを目指しており、つい先週ESPNともサッカーや大学フットボール等で同様の提携を結んだばかり。NBAのプレイオフも大詰めを迎えており、これからますます盛り上げる絶好のタイミングで提携を行ったといえる。調査ではTVを見ながらTwitterをする人は視聴者の3分の1を占めているとのこと。それら視聴者にTVに次ぐSecond ScreenをTwitterが提供し、さらにユーザー間のコミュニケーションを活発にすることが期待されている。場合によってはTwitterでリプレイを見てTVをつける可能性だってある。結果これはTwitterのメディアとしての価値を向上させる。

■NBAにとっての意味

NBAにとってはNBA.comとはまた異なった拡散力の強いTwitterというメディアを手に入れたことになる。NBA.comはサイトを訪れてもらうことを待つ必要があるが、Twitterは多くのユーザーへRTを通じてPushでNBAが手を下さなくても拡散する(自己拡散型、とでもいうのであろうか)ことができる点が大きく異なる。結果ユーザーの可処分時間を獲得することができる。またTwitter→TVという導線が確立することで放映権料自体も増加が望める。

Twitterは昨日のNBAのICT(テクノロジー)戦略でも紹介したTechnology Summitにも参加している。おそらくこのころ既にこの提携話は進んでいたのだと思われる。

いずれにしろNBAが提携をうまく使っている一つの例といえるだろう。

■補足

今回のHighlight動画を手軽に作ることができるのは、SnappyTVという会社の技術によるもの。簡単にビデオを編集(場面を切り出し)して、1クリックでYoutubeやTwitter等にポストできる。TwitterのVolumeと試合のタイムラインを見ながら盛り上がった箇所のみをすぐに切り出してアップすることが可能になる。

[NBA]NBAのICT(テクノロジー)戦略

今のNBAの隆盛とテクノロジーの進化は切っても切れない関係にある。

以前に紹介したNBAにファンによるマネーボールも、チケット販売戦略も今日の進歩したICTの技術なしには実現しえなかった。

スポーツのリーグでありながら最新のテクノロジーの成果を取り込んでいくには何かしかけがあるはずだ、と考え調べたところ出てきたのが「2013 NBA All-Star Technology Summit」だった。

リンク:2013 NBA All-Star Technology Summit

■NBA All-Star Technology Summit概要:

ちょうどオールスターが開催されている週の金曜日に行われている。今年でなんと14回目を数えるらしい。テーマは「the next digital frontier」。

  • 基調講演:Media Management for Rocket Scientists (NASAのディレクターが火星で使う画像解析技術の話題をもとに、最新技術について講演)
  • パネル1:Navigating Big Data (Big Dataをどのように製品・サービス開発に役立てているかを、アメリカ教育省、SAP、Bain、Ticketmasterの責任者クラスが参加するパネル)
  • パネル2:Consumer Video Strategies (On-Demandビデオを提供するためのプラットフォームが最もファンにとってよく、かつSustainableかを議論するパネル。参加者はCablevision SystemsのCEO、State FarmのCMO他TurnerやYoutube等。あとMagic Johnsonも!)
  • パネル:Mobile and Tablet Trends (スマートフォン、タブレットがユーザーの第1かつ常時ののアクセス手段となるに従い、メディア企業はどのような戦略を取っているのかを議論するパネル。Sprint、BBVA、Cisco、ESPNとDallas Mavs、Cleveland Cavsのオーナー、Charles Barkleyが参加)
  • 基調講演:Twitter’s Manifest Destiny (Twitter CEOの講演)

各パネルのModeratorもCNNやTurnerのキャスターが務める。

■なぜリーグがこのような会議を主催するのか?

パネラーにしろモデレーターにしろそうそうたるメンツを集めているが14回目を数えているということはそれなりの意図をもって続けていないとできないこと。

参加者は各チームのスタッフと考えられるが、普段チームの活動で忙しいと変化の速い技術動向を追うというのは難しい。したがってリーグとして技術動向を把握するために一流の専門家を集め、活動に役立てようと主導しているのは正しいやりかただと考える。またチーム単位ではこのクラスのゲストを呼ぶことは難しいが、リーグ主導であればAll-Starと同時開催することで集客も見込めゲストも呼びやすくなる。(もちろんNBA自体の知名度もある)

おそらくリーグとしてこの会議を続け、常にICTの動向を把握するようにしてきたことが、Ticketmasterの提携もSAPとの提携なども含めた提携につながっているのだろう。結局会議を毎年行うという仕掛けを作ることで、会議当日だけでなく前後も含めて担当者は常に情報収集を行い最新動向を把握するようにしていったことが成功を(少なくともこれまでは)おさめている理由だったのではないだろうか。