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Archive for the ‘Off-Season’ Category

[NBA] シーズンスケジュール発表とその盛り上げ方

つい昨日、2013-14シーズンのNBAの試合スケジュールが発表になった。

NBAの動きを見ているとスケジュール発表自体がとても重要なイベントの1つと認識していて、そのためにいろいろな仕掛けをしていた。事前の盛り上げ、スケジュール自体の組み方、発表後の対応とそれぞれ見ていき、最後にNBAにおけるリーグとチームの関係について触れてみたい。

■スケジュール発表前の盛り上げ

その少し前から↑のように@NBAのアカウントがスケジュール発表のNBAtvの特番の宣伝とともにあおっていた。NBAtvではお抱えのアナリストのJeff Van Gandyらが注目のカードについて話をしたようだ。

# NBAtvで特番を組めるのはやはり、NBAがNBA Media Venturesという会社でを持って運営しているからなのだろう。

■注目の試合

スケジュールに関する発表を見ていたところ、注目の試合の要素を抽出するとこのようになる。

  1. 開幕戦
  2. ホーム開幕戦
  3. Thanks Giving
  4. Xmas
  5. 移籍した選手が移籍前のチームのホームに戻る試合
  6. ESPN, ABC, TNTなどのテレビでの全米放送

最初の2つについては当然開幕戦なので注目が集まる。またThanks GivingやXmasについては家族でNBAを見に行くことが一つのイベントになっているアメリカならではなのだろう(アメリカに住んだことがなのでいまいち筆者はピンと来ないのだがTwitterの反応を見ているとそう感じる)。いずれにしても重要な日付の試合については、注目度の高いカードが組まれている。

5つ目については対戦チーム同士が注目の的なので、日程にはそれほどこだわりがない。(日程がいつであってもある程度集客できるという見込が立つ)

6つ目は全米放送だから注目カードなのではなく、注目カードを全米放送にしているようだ(下記リンク先のスケジュール参照)。それにあわせてNBAが宣伝をしているよう。

■Twitterでの反応

やはりファンたちもスケジュール発表を心待ちにしていたらしく、Twitter上で” After checking out the 2013-14 #NBA Schedule, I’m exited to ~”というお決まりのようなリアクションがいくつも@NBAのアカウントにRTされている。また(もはや当然ではあるが)#iMissNBA というハッシュタグを作って、ファンたちのコメントを集めている。

いずれにしても@NBAのタイムラインを見ていると、ファンたちがNBAの開幕が待ち遠しくて仕方ない様子が伝わってくる。

■発表後の話題提供

今日発見したニュース。NBA.comのHang Time Blogで書かれている記事。

THE MOST INTRIGUING GAMES OF 2013-14

1,230試合あるうち、最もおもしろそうな15ゲームをピックアップして見どころを解説している。試合のチョイス自体は強豪チームであるHeat, Pacers, Spurs, Thunderにオフの補強で成功したRockets, Nets, Warriors, Clippersあたりが必ず含まれている。どの試合も全米放送の対象ではあるが、ライターがリーグの意向を受けて試合をピックアップして記事を書いているということは、職業柄おそらくないはず。つまり誰が選んでも注目度の高い試合がこれら15個となるのだろう。

ちなみにこの記事はスケジュール発表の1時間半後に発表されている。こちらも綿密に計画を立てていたと推測される。

■各チームへの対応のメリハリ

NBAのスケジュール発表と各試合のアピールに関する重点の置き方を見ると、試合ごとの価値・集客見込をランク付けしていると考えられる。集客できる強豪チーム、話題のチームで多くの集客、話題、放映権料を集めリーグとしての収益力を高めている。(そして下位チームへの収益の分配はまた別に行っているはず)

(NBAではどのようにしているかは分からないが)一般にチームは加盟料を払ってリーグに加盟しており、それに対してリーグは各チームに対していろいろなサービスを提供しているものと考える。そうすると各チームのアピールに差をつけるのはいかがなものか、という考え方になる可能性は否定できない。

一方でNBAはトップチームを全面に押し出してアピールし、それによって全体のパイが広がった結果を全チームに配分するという考え方にしていると思われる。このメリハリのつけ方もまたひとつNBAがリーグとしての特徴といえるのではないだろうか。

# トップチームを全面に押し出すということは、当然アピールされないチームも出てくる。しかしアピールされていないチームがトップチームに勝つとそれもまたニュースになる。いかに落差を作り、それをニュースバリューに変えていくかという点が重要なのだろう。

[NBA] ルーキーたちが新ユニホームで変顔写真撮影!?

今日Twitterを見ていたら変な写真が流れてきた。

これは今年2013年のルーキー、Kelly Olynikが新チーム、セルティックスのユニホームを着ている写真。(個人的に次のDirk Nowitzkiになるのではないかと期待している逸材)

実はこれは#PaniniNBARookieというRookieたちの写真撮影会の一幕。Panini Americaという選手たちのトレーディングカードなどを作っている会社の、今年のルーキーたちのカード用写真撮影会が行われていた様子をTwitterで中継していたようだ。

選手たちが変顔をしている写真もあれば、まじめな顔の写真もある。また選手がユニホーム姿でドリブルスキルやダンクを披露している10秒以内の短い動画もある。(動画はvine.coというサービスを使って投稿されている)

↓なんとランチタイムの写真まで!これはこれで貴重な写真。ルーキーらしさがあってよい。(この量じゃ絶対食事足りてない・・・)

■ありふれたことをイベントに

おそらくこの写真撮影会は毎年行われていたありふれた光景だったのだと思う。が、それをPanini NBA Rookie Photoというイベントに仕立て上げ、スポンサーであるPaniniの名前を冠にし、さらにオフシーズンのネタの少ない時期に話題作りをすることに成功している。

特筆すべきはびしっと決めたポーズの写真だけでなく、ランチや選手同士がじゃれている写真、変顔写真、撮影中の様子を写した動画まで包み隠さず見せていること。Twitter、Instagram、Vineあたりが主に使われているのだがコストはほぼ0。コストがかからないのであれば接触面を増やす努力(点→面での接触)をしたほうがRTされる対象も増える(膨大なフォロワーがいてこその結果ではあるがそれぞれの写真・動画が50~200前後RTされている)。またいろんな選手・いろんな表情を見せるほうが、いろんな好みのファンにヒットする可能性もある。(このへんはAKB参照)

最後はNBA.comのサイトにちゃんとまとめて写真をアップしてフロー(Twitter上で流れて行ってしまう情報)からストック(NBA.com上でいつでも参照できる情報)に変換している。このへんは抜け目がない。

2013 Rookie Photo Shoot

まとめると、いつも行われていることに名前をつけてイベント化し、SNSの利点を生かして接触面を増やし、きっちり結果はストック化する。ソーシャルメディアの活用で先端を行っていると改めて思い知らされるイベントだった。

[NBA] Top Games of the Year – オフにもNBAを思い出させる

現在NBAはオフシーズンであり、サマーリーグも終わり、7月から始まったFAの移籍市場も大物選手の移籍は落ち着いて少しずつニュースが少なくなってきたところ。

このタイミングを見計らってNBA.comでは”Top Games of the Year”というファン参加型の試みを行っている。

NBA.com | Top Games of the Year(公式サイト)

■取組の概要

内容としては

  • http://www.nba.com/topgames という特別ページを設置
  • 2012-13シーズンの素晴らしい試合10試合をピックアップ
  • ピックアップした試合について、シーズン中に使っていた試合のハイライト動画を並べて表示
  • NBA.tvでピックアップした試合を再放送
  • #NBATopGames のハッシュタグでユーザーは投票(Twitterでの投稿状況も特設ページで見ることができる)

という、非常にシンプルなもの。

(ピックアップされた試合はどの試合も素晴らしくシーズンを通して追っかけていた著者にとっては、どれもすぐに思い出すことができた)

■取組のポイント

今回の取り組みのポイントとして

  • 時期:サマーリーグ、移籍市場、USAB(アメリカ代表)のMini-campが終わりコンテンツが少し枯れている時期
  • 再利用:ハイライト動画はシーズン中のものの再利用(追加コスト極小)
  • ソーシャル:(もはやNBAでは定番だが)twitterでの投票を呼びかけて、ファンの間でも話題が広がるようにしている

という3点があげられる。

NBAのシーズンは11月~6月と年間の半分程度しかないが、試合のないシーズンオフは翌シーズンに向けての仕込みの時期でもあり、その間にいかにファンからのアテンションを下げずに次シーズンへの期待を高めていけるかが重要となる。

全てのコンテンツをNBAのリーグ自体が持っているからこそできているのだと考えられるが、シーズンオフでもネタを途切れさせずかつ低コストでインパクトのあるこのような取り組み、考え方は他のリーグでもすぐに取り組めるのではないだろうか。

[NBA] Draftをコンテンツ化するNBA – オフシーズンのコンテンツ化

今日はちょうどNBA Draft2013のLottery(氏名順番を決めるくじ引き)が行われた。Twitterでも下記のようなツイートが流れてきていた。

NBA@NBA

All of the team representatives have taken their seats… The 2013 #DraftLottery is NEXT on ESPN. twitpic.com/csa019

実際のDraft日は6/27のためまだまだ先である。しかし既にDraft用の特設サイトはオープンしておりスポンサーはState Farmがついている。この中でドラフトに関するニュースやドラフト候補とされている選手たちのブログがある。

■感心したコンテンツ

その中でも最も感心したのが以下の2つ。

  • Measuring Up:選手の身体計測、体力測定の結果
  • Mock Draft:今年の各チームの指名予想

前者は毎年行っていたものをコンテンツとして公開したもの。世界最高峰のアスリートの身体能力は気になる人も多いと思う。ちなみに垂直跳びが一番高い選手は約90cm、最高跳躍力(助走あり?)は111㎝だとか・・・。後者は提携(?)しているライターが書いたものだと思われる。自分がGMになった気分で指名選手を決め、チーム編成を考えるのは好きな人は多い。そういう人たちに議論を起こすネタを投げ込むにはいい記事ではないかと。また今年はLotteryの会場も公開されていた様子。(探せなかったが、そのようなツイートが流れてきた)

■Draftに力を入れる理由

いずれにしてもシーズンはプレイオフに入っており、残りはカンファレンスファイナルとファイナルのみの状況。他のチームはオフシーズンに入ってしまっている状況の中でニュースバリューがあり、かつコンテンツとして追加の費用が少なくできるものとして、Draftはうってつけだと考える。昨年のオリンピック同様(参考:NBAとUSAオリンピック代表チームの協力関係)、オフシーズンにもアテンションを集めるのは非常に大切なことで、そのためには使えるイベントやニュースをとことん使い尽くすというのがNBAの基本戦略なのだろう。