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[書評] SHOW ME THE MONEY! ビジネスを勝利に導くFCバルセロナのマーケティング実践講座

本来はNBAについての話題が中心の本ブログだが、標題の本がとてもよかったので紹介したい。

本書はサッカースペインリーグのトップチームであり世界最強のサッカークラブと呼ばれるFCバルセロナに、ビジネスの世界からマーケッターとして飛び込んだ著者の経験をもとに、スポーツに関わる組織の実践的マーケティングを学べる本。

SHOW ME THE MONEY!ビジネスを勝利に導くFCバルセロナのマーケティング実践講座
エステベ・カルサーダ (著), 小澤一郎 (翻訳)
出版社: ソル・メディア

本書をオススメできるポイントをいくつか取り上げてみたい。

・体系的な説明

スポーツ・マーケティングに関する本(下部リンク)としてはエスキモーに氷を売るがあるが、エスキモーに氷を売るは物語調で読みやすいのに比べ、本書のほうがより体系的に書かれている。その分ボリュームも300ページ超と多い。

内容としても分析・戦略・ポジショニングとスポーツ組織においてあまり重要視されないが重要な要素からスタートし、メディア露出、実際のマーケティング(=価値をどのように売上に転換するか)、契約とその実行まで書かれている。おそらくスポーツマーケティングに関する本の中でここまで一貫して書いている本はないだろうし、特にスポンサー契約のひな形まで提示している本はないのではないだろうか。

体系としてはP50のスポーツ・マーケッターのロードマップなどは印刷して(もしくは写真を撮ってスマホに入れて)常に持ち歩きたいくらいわかりやすく、かつ全体を体系的に表していると考える。

・複数の視点

本書の中で定義されているスポーツ・プロパティとして大会、代表チーム、クラブ/チーム、選手がありそのいずれの立場であるかによってマーケティングの意味合いや取りうる方法は変わってくる。それをまんべんなく複数の視点から語っている。

またプロパティ自体の関係者(ステークホルダー)としてもファン(ソシオ)、スポンサー、メディア、サプライヤー、委託業者などがいるが、ポジショニング~メディア露出~マーケティングに至るまでの各プロセスでどのように接するべきか、という点についても触れられている。

上記2点を考慮すると複数の視点からバランスよくかつモレなく述べられている点がとてもよい。

・実践的

体系的でありながら、それぞれの要素の説明が一つ一つ具体的に書かれている。用いられている具体例もFCバルセロナでのものになっており、説得力がある。図表や数字も多い。かといって成功談だけが綴られているわけではなく、着任当初はほとんどのプロダクトを委託してしまっており自分たちでコントロールできるプロダクトがほとんどなく必死に権利を取り戻した話や、権利関係が複雑なために既に契約済みであることに気づかず他のスポンサーに肖像権を売りそうになって冷や汗をかいた話ものっている。

アンブッシュ・マーケティング(オリンピックやワールド-カップなどのイベントにおいて,公式スポンサー契約を結んでいないものが無断でロゴなどを使用したり,会場内や周辺で便乗して行う宣伝活動。(コトバンクより))への対策という項目もある。FCバルセロナならではの内容だ。

おすすめのポイントを3つほど書いたが、ボリュームもありとても一読して理解できる内容ではない。しかし帯の元日本代表主将 宮本恒靖の言葉にあるように、これから何度でも読み返す本として、ぜひ手元においておきたい1冊だ。

エスキモーに氷を売る―魅力のない商品を、いかにセールスするか
ジョン スポールストラ (著), Jon Spoelstra (原著), 中道 暁子 (翻訳)
出版社: きこ書房

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カテゴリー:Sports Business, Thoughts
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