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Archive for 2013年5月

[NBA] NBAのCommunity支援のかたち – Oklahomaの竜巻被害への支援活動を通じて

■Oklahoma Cityを襲った竜巻(Tornado)へのNBA選手の対応

つい先日Oklahoma City Thunderの本拠地Oklahoma Cityを襲った竜巻で大きな被害が出た。そこに関してのTwitterがいくつか流れてきた。

ThunderのエースKevin DurantとThunderが竜巻が襲った地域を訪問し、物資を運んだりサインをしたりと支援を行っている動画。

Kevin Durant & the @OKCThunder visit & lend a helping hand to those affected by the Oklahoma tornadoes (video): http://on.nba.com/12Aaaqv 

そしてこれ↓は、Playoffを戦っているMemphis GrizzliesのTony AllenがArenaでの寄付を呼び掛けているという記事。

.@USAToday: @memgrizz @aa000G9 to match in-arena donations, encourages fans to join tornado relief efforts http://usat.ly/12QWI3c 

この記事をツイートしている@nbacares、これこそがNBAのCommunity Outreach(ここで使われているCommunityに当てはまる日本語がないのでこのままで)活動の統一した名称(ブランド)となっているもの。

NBA Cares (NBA.comサイトの中)

現在は上記サイトにアクセスするとTornado Relief Effortsという竜巻の被害支援に関する活動のページへ遷移する。

■NBAのリーグとしてのCommunity支援の明確な意思表示

ここで特に触れておきたいのは個別の事象に対しての対応云々ではなく、リーグとして明確にこのような活動を支援していること。2005年から活動を開始している。概要を以下に引用する。

NBA Cares is the league’s global community outreach initiative that addresses important social issues such as education, youth and family development, and health and wellness. The NBA and its teams support a range of programs, partners and initiatives that strive to positively impact children and families worldwide.

As part of the league’s mission to demonstrate leadership in social responsibility, NBA Cares reaches communities through philanthropy, hands-on service and legacy projects. Since October 2005 when NBA Cares was launched, the league and teams have raised more than $218 million for charity, provided more than 2.5 million hours of hands-on service, and built more than 805 places where kids and families can live, learn or play in communities around the world. (NBA Cares Overviewより)

実はNBAの選手は個別に財団を持っていることも多く、それぞれが多かれ少なかれCommunityに対する活動を行っている。NBA Caresもそれ自体は全く否定いないが、そこに統一的なNBA Caresという看板をつけることでより選手が活動しやすく、かつ活動を集約することでインパクトが大きくなるようにしていると考えられる。

■Attentionを集めるプラットフォームとしての役割

さきほどのTornado Relief Effortsのサイトを見るとわかるのだが、複数の団体と提携し、紹介する形となっている。The American Red Cross、Feed The Children、The Regional Food Bank of Oklahoma、The Salvation Army、Save The Children、United Way of Central OKlahomaと6団体を紹介。これらは様々な活動を行っているが、NBA単体では行えない活動ばかり。NBAは自分たちがメディア・プラットフォームであることの影響力を活かしてこれら団体を人々に紹介し、それによって支援を実現している。

常々NBAはパートナーシップの組み方がうまいと感じているがビジネス的にうまいという側面があるのはもちろん、このようなケースを見ると自分たちが社会の中で存在している意義を理解しながら、最大限貢献できる方法を模索しているのだと改めて感じさせられた。

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[NBA] Draftをコンテンツ化するNBA – オフシーズンのコンテンツ化

今日はちょうどNBA Draft2013のLottery(氏名順番を決めるくじ引き)が行われた。Twitterでも下記のようなツイートが流れてきていた。

NBA@NBA

All of the team representatives have taken their seats… The 2013 #DraftLottery is NEXT on ESPN. twitpic.com/csa019

実際のDraft日は6/27のためまだまだ先である。しかし既にDraft用の特設サイトはオープンしておりスポンサーはState Farmがついている。この中でドラフトに関するニュースやドラフト候補とされている選手たちのブログがある。

■感心したコンテンツ

その中でも最も感心したのが以下の2つ。

  • Measuring Up:選手の身体計測、体力測定の結果
  • Mock Draft:今年の各チームの指名予想

前者は毎年行っていたものをコンテンツとして公開したもの。世界最高峰のアスリートの身体能力は気になる人も多いと思う。ちなみに垂直跳びが一番高い選手は約90cm、最高跳躍力(助走あり?)は111㎝だとか・・・。後者は提携(?)しているライターが書いたものだと思われる。自分がGMになった気分で指名選手を決め、チーム編成を考えるのは好きな人は多い。そういう人たちに議論を起こすネタを投げ込むにはいい記事ではないかと。また今年はLotteryの会場も公開されていた様子。(探せなかったが、そのようなツイートが流れてきた)

■Draftに力を入れる理由

いずれにしてもシーズンはプレイオフに入っており、残りはカンファレンスファイナルとファイナルのみの状況。他のチームはオフシーズンに入ってしまっている状況の中でニュースバリューがあり、かつコンテンツとして追加の費用が少なくできるものとして、Draftはうってつけだと考える。昨年のオリンピック同様(参考:NBAとUSAオリンピック代表チームの協力関係)、オフシーズンにもアテンションを集めるのは非常に大切なことで、そのためには使えるイベントやニュースをとことん使い尽くすというのがNBAの基本戦略なのだろう。

[NBA] NBAとTwitterがソーシャルな試合動画観戦方法で提携 – Social Highlights

Twitterで流れてきた日本のCNETの記事で見つけたトピック。

Twitter、NBAと提携–ツイート内でプレーオフのハイライト映像を配信へ(CNET Japanより)

TwitterとNBA Digitalは、現在開催されている米プロバスケットボールの2013 NBA Playoffsで最もエキサイティングな場面のハイライト映像を、ツイート内にストリーム配信することで提携した。

この提携についてはBloombergが最初に報じたが、Twitterはわずか数日前にESPNと同様の取り決めをしたばかりだ。ESPNとの契約でTwitterユーザーは、サッカー、X Games(エクストリーム系スポーツを集めた競技大会)、大学のアメリカンフットボールの録画映像にアクセスできるようになる。

Twitterによると、NBAのハイライト配信ではSony Pictures Entertainment、Taco Bell、Sprint Nextelがスポンサーになる予定だという。

これだけだと詳細がよく分からないのでBloombergの元記事をあたってみた。非常にわかりやすい。

Twitter Teams With NBA to Stream Basketball Replay Videos (Bloombergより)

説明している部分を本文から引用する。

NBA Digital, a joint venture between the sports league and Turner Broadcasting System Inc. (TBS/B), will post game snippets on Twitter during the playoffs with the hashtag #NBARapidReplay, said Adam Bain, president of global revenue at Twitter. Short advertisements will appear alongside the clips, he said. (Twitter Teams With NBA to Stream Basketball Replay Videosより)

@NBAのアカウントが#NBARapidReplayというハッシュタグでTwitterのタイムライン上で見れるリプレイを投稿する。この#NBARapidReplayのツイートをユーザーが「Awesome!」とか「Incredible!」とかコメントつきでRTすることで、ユーザー同志のコミュニケーションが活発になる。このリプレイには当然のように広告は表示される。

またこの動画はNBA.comのサイト上ではNBA Social Highlightsという特設ページになっている。

NBA Social Highlights(リンク)

ここではゲームごとにページが設けられ、タイムラインに沿ってハイライト動画が作成されている。またタイムラインとあわせてTwitter Volume(おそらくハッシュタグの投稿数)が表示されていて、ハイライトシーンの中でも特にVolumeが大きいもの(反響の大きいもの)が分かる仕組みになっている。

※ ちなみに。数字(Twitter Volume)を集計しておくメリットとしては、あとでランキング(例:もっともVolumeの大きかったハイライトシーンベスト10)を作成することで動画コンテンツを再利用しつつ別の形で届けることができる点がある。

■Twitterにとって提携の意味

TwitterはIPOを目指しており、つい先週ESPNともサッカーや大学フットボール等で同様の提携を結んだばかり。NBAのプレイオフも大詰めを迎えており、これからますます盛り上げる絶好のタイミングで提携を行ったといえる。調査ではTVを見ながらTwitterをする人は視聴者の3分の1を占めているとのこと。それら視聴者にTVに次ぐSecond ScreenをTwitterが提供し、さらにユーザー間のコミュニケーションを活発にすることが期待されている。場合によってはTwitterでリプレイを見てTVをつける可能性だってある。結果これはTwitterのメディアとしての価値を向上させる。

■NBAにとっての意味

NBAにとってはNBA.comとはまた異なった拡散力の強いTwitterというメディアを手に入れたことになる。NBA.comはサイトを訪れてもらうことを待つ必要があるが、Twitterは多くのユーザーへRTを通じてPushでNBAが手を下さなくても拡散する(自己拡散型、とでもいうのであろうか)ことができる点が大きく異なる。結果ユーザーの可処分時間を獲得することができる。またTwitter→TVという導線が確立することで放映権料自体も増加が望める。

Twitterは昨日のNBAのICT(テクノロジー)戦略でも紹介したTechnology Summitにも参加している。おそらくこのころ既にこの提携話は進んでいたのだと思われる。

いずれにしろNBAが提携をうまく使っている一つの例といえるだろう。

■補足

今回のHighlight動画を手軽に作ることができるのは、SnappyTVという会社の技術によるもの。簡単にビデオを編集(場面を切り出し)して、1クリックでYoutubeやTwitter等にポストできる。TwitterのVolumeと試合のタイムラインを見ながら盛り上がった箇所のみをすぐに切り出してアップすることが可能になる。

[NBA]NBAのICT(テクノロジー)戦略

今のNBAの隆盛とテクノロジーの進化は切っても切れない関係にある。

以前に紹介したNBAにファンによるマネーボールも、チケット販売戦略も今日の進歩したICTの技術なしには実現しえなかった。

スポーツのリーグでありながら最新のテクノロジーの成果を取り込んでいくには何かしかけがあるはずだ、と考え調べたところ出てきたのが「2013 NBA All-Star Technology Summit」だった。

リンク:2013 NBA All-Star Technology Summit

■NBA All-Star Technology Summit概要:

ちょうどオールスターが開催されている週の金曜日に行われている。今年でなんと14回目を数えるらしい。テーマは「the next digital frontier」。

  • 基調講演:Media Management for Rocket Scientists (NASAのディレクターが火星で使う画像解析技術の話題をもとに、最新技術について講演)
  • パネル1:Navigating Big Data (Big Dataをどのように製品・サービス開発に役立てているかを、アメリカ教育省、SAP、Bain、Ticketmasterの責任者クラスが参加するパネル)
  • パネル2:Consumer Video Strategies (On-Demandビデオを提供するためのプラットフォームが最もファンにとってよく、かつSustainableかを議論するパネル。参加者はCablevision SystemsのCEO、State FarmのCMO他TurnerやYoutube等。あとMagic Johnsonも!)
  • パネル:Mobile and Tablet Trends (スマートフォン、タブレットがユーザーの第1かつ常時ののアクセス手段となるに従い、メディア企業はどのような戦略を取っているのかを議論するパネル。Sprint、BBVA、Cisco、ESPNとDallas Mavs、Cleveland Cavsのオーナー、Charles Barkleyが参加)
  • 基調講演:Twitter’s Manifest Destiny (Twitter CEOの講演)

各パネルのModeratorもCNNやTurnerのキャスターが務める。

■なぜリーグがこのような会議を主催するのか?

パネラーにしろモデレーターにしろそうそうたるメンツを集めているが14回目を数えているということはそれなりの意図をもって続けていないとできないこと。

参加者は各チームのスタッフと考えられるが、普段チームの活動で忙しいと変化の速い技術動向を追うというのは難しい。したがってリーグとして技術動向を把握するために一流の専門家を集め、活動に役立てようと主導しているのは正しいやりかただと考える。またチーム単位ではこのクラスのゲストを呼ぶことは難しいが、リーグ主導であればAll-Starと同時開催することで集客も見込めゲストも呼びやすくなる。(もちろんNBA自体の知名度もある)

おそらくリーグとしてこの会議を続け、常にICTの動向を把握するようにしてきたことが、Ticketmasterの提携もSAPとの提携なども含めた提携につながっているのだろう。結局会議を毎年行うという仕掛けを作ることで、会議当日だけでなく前後も含めて担当者は常に情報収集を行い最新動向を把握するようにしていったことが成功を(少なくともこれまでは)おさめている理由だったのではないだろうか。

[NBA] もしファンがマネーボールを楽しめたら – NBAとソフトウェア大手SAPのマネーボール的提携

■バスケットボールは数字のスポーツ?

バスケットボールは数字のスポーツだ。

24秒ルール(24秒以内にシュートを打たなければいけない)のため、両チームに平等に攻撃機会が回ってくる。その攻撃の機会をどのくらい得点につなげるか(フィールドゴール(FG)%=シュートの確率)、相手の攻撃をどれだけ防ぐか(ディフェンス・リバウンド、ブロック)、自分たちの攻撃の機会をどれくらい増やすか(オフェンス・リバウンド、スティールなどでターンオーバーを誘う)、攻撃機会のロスをどれだけ減らせるか(自チームのターンオーバーを減らす)という要素の組み合わせでゲームはできている。
そういう意味ではサッカーよりも野球に似ている。

そんなことを学んだのは以下の本から。バスケットボールにおけるマネーボール的分析の最初だと思われる。個人スタッツ(Stats:数字)だけでなくチームスタッツについても触れているが、まず最初に書かれているのは「バスケットボールはどういうゲームか?」ということだった。
Basketball On Paper: Rules And Tools For Performance Analysis

もちろんエキサイティングでスピードとパワーにあふれるプレーを見るのは好きな人が多いが、上記のような数字の側面について語るのが好きな人もいるはずだ。(筆者も例にもれずNBA.comでboxscoreが公開されるようになったころから、数字を眺めてゲームの内容を想像するのが好きだった)

■もしファンが自分で数字を分析してマネーボールを楽しめたら?

そんな筆者のようなファンにNBAのスカウトが使うようなStatsの分析ツールが無料で公開されたら?それを実現したのがNBAとSAPの提携だった。

New service is stats heaven for fans (SportsBusiness.comより)

【事例】NBA、「SAP HANA」を使って新スタッツ・ページを開設 – 深いデータをファンに初公開 (COMPUTERWORLDより)

NBAはソフトウェアパッケージ大手のSAPと提携し、ファンが自分で自由に試合の分析データを見ることができるプラットフォームである、stats.nba.com をリリースした。

NBA Stats

このプラットフォームでは基本的なboxscore(得点、シュート本数・成功率、リバウンド、アシスト、ブロック、スティール、ターンオーバー)だけでなく、advanced statsと呼ばれる攻撃100回あたりの得点・失点、リバウンドの機会のうちどれだけを確保しているか、クラッチタイム(試合残り5分間で5点差以内)のパフォーマンスなど、boxscoreだけでは分析できない数字まで提供している。

■NBAにとってのメリット

NBAにとってのメリットは、プレイだけでなく数字が好きなファン層(おそらく試合を観戦するだけのファンとは違う層)を取り込めること、そしてじっくり見るので結果的にNBA.comサイトへの滞在時間が延びること、オフシーズンでも楽しめることがあげられる。
これらは全てNBAのメディアとしての価値を押し上げる。

またSAPは世界的にトップ企業(Fortune 500企業のうち85%)を顧客にしており、世界では”The Best-Run Businesses Run SAP”というキャッチコピーでそれをアピールしている。
NBAもそのトップ企業(組織)の一部であるという宣言でもありブランド価値の向上に大きく寄与したはず。

■SAPにとってのメリット

SAPにとってもこれは渡りに船の機会だった。

SAPはちょうど去年の初めにHANAというインメモリの高速データベースを自社開発し発表していた。
Advanced Statsは高度で膨大な計算処理を必要とする。また消費者向けBtoCサイトでもあるため、それほど悠長にはファンも待ってくれないため高速な結果表示が求められる。

チャレンジングではあるが、ビッグデータという言葉が流行し、大量データ分析が必要になっていく時代の中で、HANAの力量を示すにはまたとない絶好の機会だったといえる。

■(例によって)コンテンツを最大限に生かす仕組み

NBA Statsのリリース以降、NBAは使い方の説明ページの作成、直近迫ったオールスターの選手をStatsを使って分析する記事の作成、Stats専用のTwitterアカウントによる毎日の#StatLineOfTheNightの配信および試合前のStatsによる予測等を行っている。

使い方ページ – Welcome to NBA.com/Stats

NBA.comでいつも記事を書いているライターによるオールスター選手の分析 – Eastern Conference All-Stars By the Numbers

NBA.com/StatsのTwitterアカウント(毎日配信)

コンテンツであるNBA.com/Statsをアピールし抜け目なく活用するあたりは、前の記事([NBA]AwardとAwardスポンサーのモデルについて)でも書いたようにコンテンツにレバレッジをかけていくというアプローチといえるだろう。

[NBA]AwardとAwardスポンサーのモデルについて

つい、昨日NBAのMVPが正式に発表になった。予想にもれず今年のMVPはLeBron James。

James wins 4th Kia MVP award in near unanimous vote

このAwardについている「Kia」というのはKia Motorsのことで、NBAのOfficial Automotive Partnerとなっている。今回はKiaを題材にNBAのスポンサーシップについて考えてみたい。

■NBAとKiaの関係

Kiaは2010-11シーズンからNBAとのパートナーシップを開始し、2012-13シーズンを前に大幅にパートナーシップの内容を拡充している。

Kia Motors Expands NBA Marketing Partnership With New Multiyear Agreement – PR Newswire

2010-11シーズンのDunk ContestではLA ClippersのBlake GriffinがKiaの車を飛び越えてダンクをするパフォーマンスを行っており非常にインパクトがあった。LAに行った際もStaples Centerの向かいのビルの壁面にはでかでかとGriffinのダンクの写真が飾られていた。

■Awardとは

NBAは上記のKiaとの契約に伴い、NBAのシーズンのAward(表彰)の名称を”Kia Performance Awards”としている。対象のAwardは以下。最後の「~~of the Month」は毎月表彰、それ以外はシーズン終わり(All-star MVPはAll Starで)に表彰される。

  • MVP(最優秀選手)
  • All-star MVP
  • Rookie of the Year(新人王)
  • Defensive Player of the Year(最優秀守備選手)
  • Most Improved Player of the Year(最も成長した選手)
  • Sixth man of the Year(最も活躍した6thマン=ベンチプレイヤー)
  • Player of the Month(毎月最も活躍した選手)
  • Rookies of the Month(毎月最も活躍した新人)

■Awardに伴うメディア露出

NBAはこのAwardに伴い以下のようなメディア露出を行っている。

  1. Awardの専用サイト(当然Kiaのロゴ入り)
  2. 受賞後の選手の受賞スピーチ、記者会見とそのNBA.comサイトでの放送
  3. Fanによる#KiaMVPというハッシュタグを使ったMVPの投票
  4. NBAの公式TwitterでMVPに言及される場合は必ず#KiaMVPというハッシュタグが付く

NBAからするとAwardという機会を何重にも活用しているということが分かる。1、2については確かにコストがかかる。ただしもともとNBA.comという集客力抜群のプラットフォームを持っているため、追加でかかっている費用は限定的だ。Twitterを使った3,4なんて本当に費用がかからないはず。(NBA.comはこれまでの経験からハッシュタグを集計する機能も持っているはず)

一方専用サイトでのページビュー、スピーチ等の動画再生回数、ハッシュタグの表示回数等を考えると膨大な数になることが考えられる。

つまりAwardというコンテンツをできるだけ低い費用で使いまわし、自社メディアに掲載することでコンテンツの価値を上げており、結果としてそれがスポンサーへのメリットになっている。逆に言うとAwardというコンテンツにレバレッジをかける仕組み(NBA.com等のメディア)を自分たちで保有していたからこそ、スポンサーに対するメリットが提示でき、結果としてスポンサーシップを獲得できた。(今回の場合は契約範囲の拡大につながった)

■NBAのスポンサーシップのモデル

NBAのスポンサーシップのモデルの1つの形として、「NBAというメディア」に「コンテンツをレバレッジ」かけて載せていき、そのコンテンツに対してスポンサーをつけているといえると思う。前出の記事にはNBAの数字としてのメディアの価値が出ている。以下引用。

The NBA, founded in 1946, is a professional sports league and global business that features 30 teams in the United Statesand Canada.  During the 2010-11 season, NBA games will reach 215 countries and territories in more than 40 languages.  Last season, NBA rosters featured 79 international players from 35 countries and territories.  NBA merchandise is sold in more than 100,000 stores in 100 countries on six continents.  NBA.com averages more than 26 million page views per day, with more than 50 percent of the site’s visitors coming from outside of North America.  Through NBA Cares, the league, its teams and players have donated than $145 million to charity, completed more than 1.4 million hours of hands-on community service, and created more than 525 places where kids and families can live, learn, or play.  (前出のPR Newswireの記事より)

これだけのメディアに育てるのはかなり時間がかかる。一方コンテンツにレバレッジをかけることは(比較的費用をかけずとも)すぐにできるはず。リーグとしては長期的にはメディアとしての価値を育てつつ、短期的にレバレッジをかける方法を何通りも編み出して試していく姿勢が必要になってくるのではないだろうか。